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濃ヶ池の伝説

「大原の農家の娘お濃は隣村へ嫁いだ。ある日、遅く帰った夫が寝支度をして
 部屋へ入ってみると、熟睡しているお濃の体は大蛇、髪は逆立ち、肌も鱗で
 覆われていた。夫は恐ろしい姿に驚き、お濃を家から追い出してしまった。
 お濃が戻ってきた実家では憤慨したが、夜になり父母がお濃の部屋を覗いて
 見たら、まぎれもなく頭髪は逆立ち鱗が生えた大蛇となっていた。    
 
 実家からも追われ天涯孤独になったお濃は、不幸を嘆きつつ野原を彷徨い、
 そして絶望の中、駒ヶ岳の麓の池にたどり着いた。青く澄みきった池を見つ
 めていたお濃は、やがて柳の枝で作った杖を岸に突刺し水中に身を投じた。
 
 お濃が岸に刺した杖は根付いて大きな柳の木になり、その下に立つと、池の
 中から機を織る音が聞こえてくる時があり、その時は必ず大雨が降った。」
 
濃ヶ池の伝説_f0332795_21250962.jpg
 濃ヶ池、真ん中に見えるピークは宝剣岳

by ryu_aida | 2018-10-08 00:03 | 全般 | Trackback | Comments(0)
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